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金融仲介機能のベンチマークを全106行見た雑感 ~第一弾:ベンチマーク改善のためのインセンティブ向上~

これまでに全地方銀行106行の金融仲介機能のベンチマーク(以後、ベンチマーク)を見てきました。その中でいくつか感じたことがあるので、雑感をシリーズで書いていきます。

 

初回は、ベンチマークを掲載することで、ベンチマーク自体を改善するためのインセンティブが向上したのではないかということです。

 

どういうことか。

 

ほとんどの銀行が2年ないし3年間のベンチマークを記載しています。

そして、多くの項目で前年よりも改善されていました。

例えば、共通ベンチマーク5の事業性評価融資でいえば、事業性評価融資を行っている融資先数の全取引先数に対する割合はH29.3期は前期よりも全行平均で4ポイントほど高くなっていました。

 

この理由を以下のように推測しています。

 

複数年のベンチマークを並べると、時系列での動きが一目瞭然となるわけです。そうすると、前年より今年の数値が悪いとバツが悪いと思うのが経営者の心情です。そうすると、前年よりも数値を良くしようというプレッシャーが現場にかかります。

 

また、各行員の動きとしても、どの分野に力を入れればよいかがより明確になるという効果もあります。この点については少し説明が必要でしょう。おそらく一般の行員は自行のベンチマークに関心がないのがほとんどです。しかし、ベンチマークを設定すれば、組織としてどの分野に注力すればよいかが具体的になるわけですから、各行員に対する組織的な指示もより明確になり、各行員も動きやすくなるという理屈です。

 

これらの結果として、前年より改善するわけです。

 

例に挙げた事業性評価はある意味金融庁の肝煎りでもありますので、どの銀行も重視していると言っています。

 

しかし、数字で公表することがなければ実際に事業性評価をしていなくても外部からは分からないわけですから、手間のかかる事業性評価をしようというインセンティブは生まれにくいわけです。

 

多くの銀行が事業性評価融資の割合を掲載したくなかったと思います。しかし、公表する銀行が多くなればなるほど掲載しないわけにはいかなくなってきます。横並び意識の強い日本人、その中でも特に横並びの銀行業界ではなおさらです(ちなみに、共通ベンチマーク5は全行の7割強の銀行が掲載しています)。

 

当初は嫌々ながらでも一旦掲載してしまえば、それを良くしていくしか選択肢がありません。

同じベンチマークについて銀行間で比較をする場合は、銀行の規模の影響もうけるでしょうし、銀行間で定義が異なる場合もあるので、一律に比較できない事情があります。

しかし、自行での時系列での変化についてはこのような言い訳は通用しません。

よって、複数年でベンチマークの変化を掲載することは、銀行にとってベンチマークを改善する大きなインセンティブになるのではないかと考えています。

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