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金融仲介機能のベンチマークを地域ごとに見る~第34弾:新潟県編~

1.新潟県の地銀

新潟県はコシヒカリの収穫量が日本一であるなど、米作を中心とした農業が盛んです。

 

第一地銀である第四銀行、北越銀行及び第二地銀の大光銀行があります。

主要指標は下記表のとおりです。第四銀行、北越銀行、大光銀行の順に規模が大きいです。

 

第四銀行と北越銀行は平成30年4月に統合が予定されていましたが、統合時期を延期すると発表しています。理由は公正取引委員会の審査が長引いているからです。その理由の一つとされるシェアでは二行併せて過半を超えています。 

 

(全て単体の指標) 第四銀行 対大光銀行比 北越銀行 対大光銀行比 大光銀行  
経常収益(H29.3) 74,231 百万円 3.4 42,562 百万円 1.9 21,963 百万円  
コア業務純益(H29.3)*1 13,500 百万円 3.5 8,115 百万円 2.1 3,813 百万円  
修正OHR(H29.3)*2 75.9 % 70.7 % 76.7 %  
経常損益(H29.3) 15,231 百万円 3.3 8,326 百万円 1.8 4,596 百万円  
自己資本比率(H29.3)*3 10.2 % 8.5 % 10.6 %  
従業員(直近) 2,260 2.6 1,486 1.7 882  
県内貸出シェア(H29.3) 34 %   19 %   10 %  
*1 臨時のものを除いた、銀行本業の収益性を示す指標            
*2 経費÷業務粗利益で算出。効率性を示す指標で低い方が良い。地銀の加重平均値は70.3%      
*3 全行とも国内基準。国内基準では4%以上が義務付けられている。          

 

2.金融仲介機能のベンチマーク項目の比較

では、具体的に同ベンチマークの項目を見てきます。

(なお、項目の詳細な異同については末尾の(参考)に記載しておりますので必要に応じてご参照ください)

 

(1)第四銀行

共通ベンチマークは5つ掲載しています。 

数値面では、メイン先のうち経営指標等が改善した割合が78%とやや高いです。平均は7割弱です。 

 

選択ベンチマークは14項目です。重要な項目をまんべんなく載せています。

数値面では、海外への販路開拓支援先数が324件と極めて多いです。他行は一桁やゼロがざらにあり、現在のところ公表している銀行で一番多い数値です。 また、地域経済活性化支援機構(REVIC)の活用先数も直近2年間においてそれぞれ10件を超えており、多くなっています。

 

独自ベンチマークは8項目です。どの項目も設定の意図が分かりやすいものです。特に、「融資相談受付日から顧客への回答実施日までの平均日数」などはいかにもわかりやすいベンチマークではないでしょうか。

 

(2)北越銀行

共通ベンチマークは5つ掲載しています。

数値面では、事業性評価融資の全体に占める割合が高いです。先数と残高ベースで各40%、50%となっております(他行平均は各10%,20%程度)。

 

選択ベンチマークは11項目です。第四銀行と同じく、重要な項目は漏れなく掲載されています。やや珍しい項目としては、労働生産性向上のための対話を行っている先数や本業支援の支店の業績評価に占める割合でしょう。

数値面ではM&A支援件数がコンスタントに100件を超え、多い印象です。

 

独自ベンチマークは2つありますが、両方オーソドックスなものです。

 

(3)大光銀行

共通ベンチマークは5つ掲載しています。 

数値面では事業性評価融資の割合が低いです。先数と残高ベースで各2%、8%です。

 

選択ベンチマークは10項目です。経営者保証ガイドラインの活用先数や担保・保証に依存しない融資関連はあった方がよいでしょう。一方、本業支援を担当している従業員の支店に占める割合や、本業支援評価の支店や個人業績評価に占める割合は珍しい項目です。

数値面では、全取引先に占めるメイン先の割合が少ないです。他行平均は40%台半ばのところ、当行は24%です。

 

独自ベンチマークはありません。

 

3.定性面の比較

(1)第四銀行.

第四銀行の経営計画は「2nd Stage ~145」です。基本戦略は「トップライン改革」「人財力・組織力」「リスクマネジメント」です。特徴的な点はTSUBASAシステムという他行との基幹システム共同化が盛り込まれている点です。

 

金融仲介機能のベンチマークは取組とベンチマークの説明のバランスが取れています。特に、企業のライフステージに応じた経営支援のテーマでは、各段階で想定されるニーズやそれに対するソリューション例が記載されており、銀行の現場が動きやすいだろうと思いました。

独自ベンチマークやそれに対する説明も充実しています。欲を言えば、地域特性についての取り組みや説明があればなおよかったでしょう。

 

(2)北越銀行

北越銀行の経営計画はソリューション営業戦略と経営基盤強靭化戦略が柱です。ユニークなのは計数目標です。事業承継支援先数、M&A支援先数、販路開拓支援先数といった金融仲介機能のベンチマークも目標値としています。また、県内若年層に占める取引先の割合やFP1級保有者数も当行の重点分野を分かりやすくするものです。

 

金融仲介機能のベンチマークもバランスが取れているものです。ただし、独自ベンチマークはもっと当行の意図が伝わるような具体的なものであった方が良かっただろうとは思います。

 

(3)大光銀行

大光銀行の経営計画は「Change ~だから、変わる。~」です。「地域密着型金融の更なる深化」「個人資産形成のアドバイザー機能強化」「業務効率化の徹底」がコア戦略です。その具体的な中身はオーソドックスなものです。

 

金融仲介機能のベンチマークについては、取り組みについての説明がやや弱い印象です。もっと踏み込んだ具体的な説明があった方が分かりやすかったでしょう。

 

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(※1)金融仲介機能のベンチマークについては、2017年5月13日のコラムで説明しております。

 

(参考)

(1)各行が掲載している金融仲介機能のベンチマーク

①第四銀行

共通ベンチマーク

1 金融機関がメインバンク(融資残高1位)として取引を行っている企業のうち、経営指標(売上・営業利益率・労働生産性等)の改善や就業者数の増加が見られた先数(先数はグループベース。以下断りがなければ同じ)、及び、同先に対する融資額の推移

2 金融機関が貸付条件の変更を行っている中小企業の経営改善計画の進捗状況

3 金融機関が関与した創業、第二創業の件数

4 ライフステージ別の与信先数、及び、融資額(先数単体ベース)

5 金融機関が事業性評価に基づく融資を行っている与信先数及び融資額、及び、全与信先数及び融資額に占める割合(先数単体ベース)

 

選択ベンチマーク

 1 全取引先数と地域の取引先数の推移、及び、地域の企業数との比較(先数単体ベース)

7 地元の中小企業与信先のうち、無担保与信先数、及び、無担保融資額の割合(先数単体ベース)

8 地元の中小企業与信先のうち、根抵当権を設定していない与信先の割合(先数単体ベース)

9 地元の中小企業与信先のうち、無保証のメイン取引先の割合(先数単体ベース)

11 経営者保証に関するガイドラインの活用先数、及び、全与信先数に占める割合(先数単体ベース)

12 本業(企業価値の向上)支援先数、及び、全取引先数に占める割合

14 ソリューション提案先数及び融資額、及び、全取引先数及び融資額に占める割合

18 販路開拓支援を行った先数(地元・地元外・海外別)

19 M&A支援先数

20 ファンド(創業・事業再生・地域活性化等)の活用件数

21 事業承継支援先数

39 取引先の本業支援に関連する研修等の実施数、研修等への参加者数、資格取得者数

42 地域経済活性化支援機構(REVIC)、中小企業再生支援協議会の活用先数

43 取引先の本業支援に関連する中小企業支援策の活用を支援した先数

 

独自ベンチマーク

1 債務者区分が破たん懸念先からランクアップした先数

2 融資相談受付日から顧客への回答実施日までの平均日数

3 地元大学との技術提携や地元大学生の就職促進の取り組みをした企業数

4 みらい応援私募債・地方創生私募債発行件数と発行金額

5 国内外で実施した企業への海外展開支援件数

6 外部連携機関や支援制度を活用した支援件数

7 企業価値向上を支援する法人向けセミナーの開催数

8 「ブリッジにいがた」を活用して外部連携により販路開拓や地域産業支援を行った回数

 

②北越銀行

共通ベンチマーク

1 金融機関がメインバンク(融資残高1位)として取引を行っている企業のうち、経営指標(売上・営業利益率・労働生産性等)の改善や就業者数の増加が見られた先数(先数はグループベース。以下断りがなければ同じ)、及び、同先に対する融資額の推移

2 金融機関が貸付条件の変更を行っている中小企業の経営改善計画の進捗状況

3 金融機関が関与した創業、第二創業の件数

4 ライフステージ別の与信先数、及び、融資額(先数単体ベース)

5 金融機関が事業性評価に基づく融資を行っている与信先数及び融資額、及び、全与信先数及び融資額に占める割合(先数単体ベース)

 

選択ベンチマーク

1 全取引先数と地域の取引先数の推移、及び、地域の企業数との比較(先数単体ベース)

5 事業性評価の結果やローカルベンチマークを提示して対話を行っている取引先数、及び、左記のうち、労働生産性向上のための対話を行っている取引先数

7 地元の中小企業与信先のうち、無担保与信先数、及び、無担保融資額の割合(先数単体ベース)

11 経営者保証に関するガイドラインの活用先数、及び、全与信先数に占める割合(先数単体ベース)

12 本業(企業価値の向上)支援先数、及び、全取引先数に占める割合

14 ソリューション提案先数及び融資額、及び、全取引先数及び融資額に占める割合

16 創業支援先数(支援内容別)

18 販路開拓支援を行った先数(地元・地元外・海外別)

19 M&A支援先数

21 事業承継支援先数

36 取引先の本業支援に関連する評価について、支店の業績評価に占める割合 

 

独自ベンチマーク

1 企業融資先数

2 地元中小企業向け融資残高

 

③大光銀行

共通ベンチマーク

1 金融機関がメインバンク(融資残高1位)として取引を行っている企業のうち、経営指標(売上・営業利益率・労働生産性等)の改善や就業者数の増加が見られた先数(先数はグループベース。以下断りがなければ同じ)、及び、同先に対する融資額の推移

2 金融機関が貸付条件の変更を行っている中小企業の経営改善計画の進捗状況

3 金融機関が関与した創業、第二創業の件数

4 ライフステージ別の与信先数、及び、融資額(先数単体ベース)

5 金融機関が事業性評価に基づく融資を行っている与信先数及び融資額、及び、全与信先数及び融資額に占める割合(先数単体ベース)

 

選択ベンチマーク

 1 全取引先数と地域の取引先数の推移、及び、地域の企業数との比較(先数単体ベース)

2 メイン取引(融資残高1位)先数の推移、及び、全取引先数に占める割合(先数単体ベース)

15 メイン取引先のうち、経営改善提案を行っている先の割合

19 M&A支援先数

21 事業承継支援先数

34 中小企業向け融資や本業支援を主に担当している支店従業員数、及び、全支店従業員数に占める割合

36 取引先の本業支援に関連する評価について、支店の業績評価に占める割合

37 取引先の本業支援に関連する評価について、個人の業績評価に占める割合

43 取引先の本業支援に関連する中小企業支援策の活用を支援した先数

44 取引先の本業支援に関連する他の金融機関、政府系金融機関との提携・連携先数

 

独自ベンチマーク

なし

 

(2)各行における金融仲介機能のベンチマーク

第四銀行

https://www.daishi-bank.co.jp/company/csr/pdf/benchmark_29.pdf

 

北越銀行

http://www.hokuetsubank.co.jp/contents/toushika/prplan/pdf/1708_chiikikinyuu_n_02.pdf

 

大光銀行

http://www.taikobank.jp/img/ir/chiiki_h27-28.pdf

 

(3)各行における経営計画

第四銀行

https://www.daishi-bank.co.jp/company/aboutus/stepup2nd.php

 

北越銀行

http://www.hokuetsubank.co.jp/new/pdf/170623_19_keieikeikaku.pdf

 

大光銀行

http://www.taikobank.jp/contents/news/433/news_433.pdf

 

(4)各行における指標の引用元

基本的には各行のWebサイトより引用しています。修正OHRについては「月刊 金融ジャーナル2017 9月号」、県内貸出シェアについては同「増刊号 金融マップ2018年版」より引用しています。

 

 

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