サービス内容黒字経営の事業者様へ〜相談したい気持ちに応えます〜

金融仲介機能のベンチマークを地域ごとに見る~第32弾:富山県編~

1.富山県の地銀

富山県は日本海側最大の工業集積地であり、製造業が盛んです。

第一地銀である北陸銀行、富山銀行及び第二地銀の富山第一銀行があります。

主要指標は下記表のとおりです。北陸銀行、富山第一銀行、富山銀行の順に規模が大きいです。

 

(全て単体の指標) 北陸銀行 対富山第一銀行比 富山銀行 対富山第一銀行比 富山第一銀行
経常収益(H29.3) 187,400 百万円 6.3 7,556 百万円 0.3 29,702 百万円
コア業務純益(H29.3)*1 43,000 百万円 7.5 915 百万円 0.2 5,755 百万円
修正OHR(H29.3)*2 66.1 % 85.2 % 69.4 %
経常損益(H29.3) 39,400 百万円 5.6 1,595 百万円 0.2 6,997 百万円
自己資本比率(H29.3)*3 8.7 % 9.3 % 12.1 %
従業員(直近) 2,770 3.8 337 0.5 735
県内貸出シェア(H29.3) 39 %   7 %   17 %
*1 臨時のものを除いた、銀行本業の収益性を示す指標          
*2 経費÷業務粗利益で算出。効率性を示す指標で低い方が良い。地銀の加重平均値は70.3%    
*3 全行とも国内基準。国内基準では4%以上が義務付けられている。        

 

2.金融仲介機能のベンチマーク項目の比較

では、具体的に同ベンチマークの項目を見てきます。

(なお、項目の詳細な異同については末尾の(参考)に記載しておりますので必要に応じてご参照ください)

 

(1)北陸銀行

共通ベンチマークは5つ掲載しています。 

数値面では、関与した創業件数が1,027件と多いです。創業件数は金融機関ごとにばらつきが多いのですが、中央値は300件台なのでやはり当行は多いと言えるでしょう。一方、事業性評価融資の割合は低いです。全体に占める割合が、他行はふつう先数で10%、残高ベースで20%程度であるところ、当行では各3%、11%となっています。

 

選択ベンチマークは6項目です。M&A支援件数、事業承継支援件数は富山県シェアトップ行としてもあった方がよかったでしょう。

数値面では、海外への販路開拓支援先数が60件と多いです。他行は一桁やゼロがざらにあります。 

 

独自ベンチマークはありません。

 

(2)富山銀行

共通ベンチマークは5つ掲載しています。

数値面では、北陸銀行と同じく事業性評価融資の割合が低いです。先数と残高ベースで各5%、7%となっております。

 

選択ベンチマークは8項目です。数は多くありませんが重要な分野は網羅されています。

数値面では経営者保証ガイドライン活用先数の割合が36%(他行平均13%)と高いです。

 

独自ベンチマークはありません。

 

(3)富山第一銀行

共通ベンチマークは5つ掲載しています。 

数値面では北陸銀行、富山銀行と同様、事業性評価融資の割合が低いです。先数と残高ベースで各1%、3%です。

 

選択ベンチマークは12項目です。主要な項目は掲載されているものの、無担保与信先数や信用保証協会保証付き融資額などの担保保証に依存しない融資項目があればなおベターでした。

数値面では、富山銀行と同様、経営者保証ガイドライン活用先数の割合が33%と高いです。

 

独自ベンチマークはありません。

 

3.定性面の比較

(1)北陸銀行

北陸銀行の経営計画は北海道銀行と形成しているほくほくフィナンシャルグループとして策定されています。そのため、北海道編(第5弾)で記載した内容を再掲します。中期経営計画「Best for the Region」の重点施策の一つ「法人マーケットへの取り組み」の中で事業性評価やソリューションについて言及されており、それらに関するベンチマークの説明がなされています。

項目数としては特段多くもなく、内容もオーソドックスなものが多いですが、それぞれのベンチマークごとに具体的な施策と併せて説明されており、分かりやすいものとなっています。

 

(2)富山銀行

富山銀行の経営計画は「富山銀行 iプロジェクト”The Next”」です。基本方針は「営業力の強化」「効果的な営業体制」「筋肉質な経営体質」です。で 

金融仲介機能のベンチマークは、テーマごとに取り組みが説明される中で、都度「巻末参照」として巻末にまとめて記載されています。定性情報自体は悪くないのですが、この見せ方だとベンチマーク自体の評価・解釈が不明となってしまいます。やはり、定性情報とセットで有機的につなげて説明した方が分かりやすいと思います。

 

(3)富山第一銀行

富山第一銀行の経営計画では、重点戦略の一つに「組織改革への取り組み」があります。その中で、「金融仲介機能ベンチマークの取組加速」とはっきり謳われている点が特徴的です。計画の対象期間が平成29年4月1日からと新しいこともあるでしょうが、経営計画に明確にベンチマークの位置づけについての記載があることはあまりありません。

 

一方で、金融仲介機能のベンチマークの見せ方については羅列に近い状態で、定性情報は多くありません。経営計画ではっきりとベンチマークの活用を表明しているのですから、もっと充実した情報開示が望まれます。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

(※1)金融仲介機能のベンチマークについては、2017年5月13日のコラムで説明しております。

 

(参考)

(1)各行が掲載している金融仲介機能のベンチマーク

①北陸銀行

共通ベンチマーク

1 金融機関がメインバンク(融資残高1位)として取引を行っている企業のうち、経営指標(売上・営業利益率・労働生産性等)の改善や就業者数の増加が見られた先数(先数はグループベース。以下断りがなければ同じ)、及び、同先に対する融資額の推移

2 金融機関が貸付条件の変更を行っている中小企業の経営改善計画の進捗状況

3 金融機関が関与した創業、第二創業の件数

4 ライフステージ別の与信先数、及び、融資額(先数単体ベース)

5 金融機関が事業性評価に基づく融資を行っている与信先数及び融資額、及び、全与信先数及び融資額に占める割合(先数単体ベース)

 

選択ベンチマーク

 7 地元の中小企業与信先のうち、無担保与信先数、及び、無担保融資額の割合(先数単体ベース)

11 経営者保証に関するガイドラインの活用先数、及び、全与信先数に占める割合(先数単体ベース)

18 販路開拓支援を行った先数(地元・地元外・海外別)

20 ファンド(創業・事業再生・地域活性化等)の活用件数

39 取引先の本業支援に関連する研修等の実施数、研修等への参加者数、資格取得者数

44 取引先の本業支援に関連する他の金融機関、政府系金融機関との提携・連携先数

 

独自ベンチマーク

なし

 

②富山銀行

共通ベンチマーク

1 金融機関がメインバンク(融資残高1位)として取引を行っている企業のうち、経営指標(売上・営業利益率・労働生産性等)の改善や就業者数の増加が見られた先数(先数はグループベース。以下断りがなければ同じ)、及び、同先に対する融資額の推移

2 金融機関が貸付条件の変更を行っている中小企業の経営改善計画の進捗状況

3 金融機関が関与した創業、第二創業の件数

4 ライフステージ別の与信先数、及び、融資額(先数単体ベース)

5 金融機関が事業性評価に基づく融資を行っている与信先数及び融資額、及び、全与信先数及び融資額に占める割合(先数単体ベース)

 

選択ベンチマーク

7 地元の中小企業与信先のうち、無担保与信先数、及び、無担保融資額の割合(先数単体ベース)

11 経営者保証に関するガイドラインの活用先数、及び、全与信先数に占める割合(先数単体ベース)

12 本業(企業価値の向上)支援先数、及び、全取引先数に占める割合

14 ソリューション提案先数及び融資額、及び、全取引先数及び融資額に占める割合

18 販路開拓支援を行った先数(地元・地元外・海外別)

19 M&A支援先数

21 事業承継支援先数

39 取引先の本業支援に関連する研修等の実施数、研修等への参加者数、資格取得者数

 

独自ベンチマーク

なし

 

③富山第一銀行

共通ベンチマーク

1 金融機関がメインバンク(融資残高1位)として取引を行っている企業のうち、経営指標(売上・営業利益率・労働生産性等)の改善や就業者数の増加が見られた先数(先数はグループベース。以下断りがなければ同じ)、及び、同先に対する融資額の推移

2 金融機関が貸付条件の変更を行っている中小企業の経営改善計画の進捗状況

3 金融機関が関与した創業、第二創業の件数

4 ライフステージ別の与信先数、及び、融資額(先数単体ベース)

5 金融機関が事業性評価に基づく融資を行っている与信先数及び融資額、及び、全与信先数及び融資額に占める割合(先数単体ベース)

 

選択ベンチマーク

 5 事業性評価の結果やローカルベンチマークを提示して対話を行っている取引先数、及び、左記のうち、労働生産性向上のための対話を行っている取引先数

11 経営者保証に関するガイドラインの活用先数、及び、全与信先数に占める割合(先数単体ベース)

12 本業(企業価値の向上)支援先数、及び、全取引先数に占める割合

13 本業支援先のうち、経営改善が見られた先数

14 ソリューション提案先数及び融資額、及び、全取引先数及び融資額に占める割合

15 メイン取引先のうち、経営改善提案を行っている先の割合

16 創業支援先数(支援内容別)

18 販路開拓支援を行った先数(地元・地元外・海外別)

19 M&A支援先数

21 事業承継支援先数

39 取引先の本業支援に関連する研修等の実施数、研修等への参加者数、資格取得者数

40 外部専門家を活用して本業支援を行った取引先数

 

独自ベンチマーク

なし

 

(2)各行における金融仲介機能のベンチマーク

北陸銀行

http://www.hokuhoku-fg.co.jp/csr/docs/20171113.pdf

 

富山銀行

http://www.toyamabank.co.jp/pages/kabunushi/media/benchmark/170621.pdf

 

富山第一銀行

https://www.first-bank.co.jp/download/ckeditor?fileNm=20170713133155%2F20170714121822.pdf

 

(3)各行における経営計画

北陸銀行

http://www.hokuhoku-fg.co.jp/news/docs/20160311_a.pdf

 

富山銀行

http://www.toyamabank.co.jp/pages/info/media/chuki/140731.pdf

 

富山第一銀行

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material&sid=75228&code=7184

 

(4)各行における指標の引用元

基本的には各行のWebサイトより引用しています。修正OHRについては「月刊 金融ジャーナル2017 9月号」、県内貸出シェアについては同「増刊号 金融マップ2018年版」より引用しています。

 

お問い合わせはこちらから

お問い合わせフォームへ

gotop