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金融仲介機能のベンチマークを地域ごとに見る~第5弾:北海道編~

1.北海道の地銀

北海道には第一地銀である北海道銀行と第二地銀である北洋銀行があります。

規模としては、北海道銀行が経常収益789億円、経常利益153億円、従業員2,249名、地域の貸出シェア25%、北洋銀行が各1,196億円、204億円、3,093名、40%です(数値はすべてH29.3期)。

各比率はそれぞれ、0.7倍、0.7倍、0.7倍、0.6倍なので、珍しく第二地銀である北洋銀行の方が大きい規模のケースです。これは、1997年に北海道拓殖銀行が経営破たんした際、北洋銀行がその事業の受け皿となったためです。

 

2.金融仲介機能のベンチマーク項目の比較

では、具体的に同ベンチマークの項目を見てきます。

(なお、項目の詳細な異同については末尾の(参考)に記載しておりますので必要に応じてご参照ください)

 

①2行が共通して掲載している項目

共通ベンチマークについては、全項目を二行とも掲載しています。

選択ベンチマークについては、「経営者保証に関するガイドラインの活用先数等」や「販路開拓支援を行った先数等」、「ファンド(創業・事業再生・地域活性化等)の活用件数」の3項目です。他県と異なるのは、ファンドに関するベンチマークが掲載されている点及びほとんどの銀行が掲載している「事業承継支援先数」、「M&A支援先数」を北海道銀行は掲載していない点でしょうか。

 

以下は、数値面での違いがある項目です。

・金融機関が関与した創業、第二創業の件数

北海道銀行1,144件、北洋銀行540件です。取引先件数は北洋銀行の方が多いので、数値の多寡が注力度によるものなのか、定義によるものなのかは不明ですが、特徴的な点です。

 

・事業性評価に基づく融資を行っている与信先数及び融資額、及び、全与信先数及び融資額に占める割合

北海道銀行の全与信先数に占める割合1.8%、同融資残高の割合10.9%ですが、北洋銀行では4.7%、13.5%です。

つまり、両行とも相対的に大口先に事業性評価融資を実行していますが、北海道銀行の方がさらに大口の先に対して行っていることが分かります。

 

②北海道銀行のみが掲載している項目

無担保、無保証関連や取引先の本業支援に関する研修、外部機関との連携に関するベンチマークの3項目あります。内容的に目新しいものはありません。

なお、独自ベンチマークの設定はありません。

 

③北洋銀行のみが掲載している項目

「メイン取引先数の推移等」や「事業性評価により対話を行っている先数等」など11項目あります。

ユニークなのは「金融機関の本業支援等の評価に関する顧客へのアンケートに対する有効回答数」「運転資金に占める短期融資の割合」の2項目であり、これらの項目を掲載している銀行はほとんどありません。

 

掲載が難しい理由は前者がアンケート作成に手間がかかるため、後者が過去の経緯として長期借入金に切り替えた時期があり、短期融資の割合が少ないためでしょう。余談になりますが、金融検査マニュアルの厳格な適用により、短期融資から長期融資に各銀行が一斉に切り替えた時期があります。しかし、近年は逆に短期融資を増やした方が是とされる風潮があり、少しずつその割合が増えています。

 

独自ベンチマークは「農業経営体与信先数」「農業経営体向け融資額」「インフォメーションバザールにおける商談件数推移」「ものづくりテクノフェアにおける商談件数推移」の4項目です。

 

全体的な感想としては、北洋銀行の方が充実している印象です。

 

3.定性面の比較

北海道銀行の中期経営計画(平成28年度~平成30年度)は「BEST for the Region」です。その中の重点施策の一つ「法人マーケットへの取り組み」の中で事業性評価やソリューションについて言及されており、それらに関するベンチマークの説明がなされています。

項目数としては特段多くもなく、内容もオーソドックスなものが多いですが、それぞれのベンチマークごとに具体的な施策と併せて説明されており、分かりやすいものとなっています。

 

北洋銀行の中期経営計画(平成29年度~平成31年度)は「共創」です。その基本戦略の一つ「事業性評価と地方創生に向けた主体的な取り組みの強化」の中で金融仲介機能のベンチマークが言及され、KPI(重要業績指標)としても事業性評価融資企業数を設定しています。

また、地域の強みとして農業・食品分野を挙げ、これにまつわる独自ベンチマークを設定している点が特徴的です。

 

全体的な感想としては、他県と異なる点はファンド活用について両行とも情報発信していることでしょうか。これは北海道の基幹産業が農業であり、農業は国としての重点分野であるため、ファンドの支援を受けやすいといった状況が要因ではないかと推測しています。

 

(※1)金融仲介機能のベンチマークについては、2017年5月13日のコラムで説明しております。

 

(参考)

(1)二行が共通して掲載している項目

 共通ベンチマーク

           1 金融機関がメインバンク(融資残高1位)として取引を行っている企業のうち、経営指標(売上・営業利益率・労働生産性等)の改善や就業者数の増加が見られた先数(先数はグループベース。以下断りがなければ同じ)、及び、同先に対する融資額の推移

           2 金融機関が貸付条件の変更を行っている中小企業の経営改善計画の進捗状況

           3 金融機関が関与した創業、第二創業の件数

           4 ライフステージ別の与信先数、及び、融資額(先数単体ベース)

           5 金融機関が事業性評価に基づく融資を行っている与信先数及び融資額、及び、全与信先数及び融資額に占める割合(先数単体ベース)

 

 選択ベンチマーク

              11 経営者保証に関するガイドラインの活用先数、及び、全与信先数に占める割合(先数単体ベース)

              18 販路開拓支援を行った先数(地元・地元外・海外別)

              20 ファンド(創業・事業再生・地域活性化等)の活用件数

 

(2)北海道銀行のみが掲載している項目

  選択ベンチマーク

              7 地元の中小企業与信先のうち、無担保与信先数、及び、無担保融資額の割合(先数単体ベース)

              39 取引先の本業支援に関連する研修等の実施数、研修等への参加者数、資格取得者数

              44 取引先の本業支援に関連する他の金融機関、政府系金融機関との提携・連携先数

 

(3)北洋銀行のみが掲載している項目

     選択ベンチマーク      

              2 メイン取引(融資残高1位)先数の推移、及び、全取引先数に占める割合(先数単体ベース)

            5 事業性評価の結果やローカルベンチマークを提示して対話を行っている取引先数、及び、左記のうち、労働生産性向上のための対話を行っている取引先数

              14 ソリューション提案先数及び融資額、及び、全取引先数及び融資額に占める割合

              15 メイン取引先のうち、経営改善提案を行っている先の割合

              19 M&A支援先数

              21 事業承継支援先数

              30 金融機関の本業支援等の評価に関する顧客へのアンケートに対する有効回答数

              33 運転資金に占める短期融資の割合

              40 外部専門家を活用して本業支援を行った取引先数

              42 地域経済活性化支援機構(REVIC)、中小企業再生支援協議会の活用先数

              43 取引先の本業支援に関連する中小企業支援策の活用を支援した先数

 

(4)各行における金融仲介機能のベンチマーク

北海道銀行(平成29年3月9日公表)

http://www.hokuhoku-fg.co.jp/news/docs/20170309.pdf

 

北洋銀行(平成29年3月16日公表)

http://www.hokuyobank.co.jp/newsrelease/pdf/20170316_070800.pdf

 

(5)各行における中期経営計画

北海道銀行(平成28年度~平成30年度)

http://www.hokuhoku-fg.co.jp/news/docs/20160311_a.pdf

 

北洋銀行(平成29年度~平成31年度)

http://www.hokuyobank.co.jp/about/company/pdf/keikaku.pdf

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