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金融仲介機能のベンチマーク③~掲載率がゼロの選択ベンチマークは問題か~

どの金融機関も掲載していないベンチマークもある

前回のコラムでは金融仲介機能のベンチマーク(※1)における選択ベンチマークのうち、ほとんどの金融機関で重視している項目について説明しました。今回は逆に、一つの金融機関も掲載していない項目について述べたいと思います。

本日時点で、掲載率がゼロの選択ベンチマークは下記の9項目です。

 

6. 事業性評価に基づく融資を行っている与信先の融資金利と全融資金利との差

27. リスク管理債権額(地域別)

31. 融資申込みから実行までの平均日数(債務者区分別、資金使途別)

32. 全与信先に占める金融商品の販売を行っている先の割合、及び、行っていない先の割合(先数単体ベース)

45. 事業性評価に基づく融資・本業支援に関する収益の実績、及び、中期的な見込み

46. 事業計画に記載されている取引先の本業支援に関連する施策の内容

47. 地元への融資に係る信用リスク量と全体の信用リスク量との比較

49. 取引先の本業支援に関連する施策の達成状況や取組みの改善に関する社外役員への説明頻度

50. 経営陣における企画業務と法人営業業務の経験年数(総和の比較)

 

選択ベンチマーク全50項目のうちの9項目ですから、やや多いかもしれません。それでは、なぜこれらの項目は掲載されないのでしょうか。

 

軽視しているのではなく、表現が難しいことが掲載しない理由か

当然ながら、掲載しない理由についてはどこを探しても見つかりません。そのため、私の推測でしかないですが、上記の項目は指標としてどのように表現するか難しい、またはデータの集計がそもそも困難であるといった理由ではないかと考えています。例えば、45の事業性評価に基づく融資・本業支援に関する収益の実績を掲載しようと思えば、まず「本業支援」の定義を明確にしなければならないでしょうし、そこから発生した収益もすべて集計しなければなりません。そのため、無理に掲載したとしても各行ごとにばらつきが大きくなってしまうでしょうし、非常に手間のかかることも容易に想像できます。決してこれらの項目を軽視しているわけではないと感じています。

 

独自ベンチマークに注目すべし

いずれにせよ、上記選択ベンチマークの掲載率がゼロであることにあまり問題を感じておりません。理由は、この制度自体が各金融機関の自主性を重んじるものであり、選択ベンチマークにこだわる必要がないからです。金融庁のWebサイトにも「これら(共通・選択ベンチマークのこと)に加え、金融機関において金融仲介の取組みを自己評価する上でより相応しい独自の指標がある場合には、その指標を活用することも歓迎したい。」とあります。金融機関側においても、その趣旨に則って独自ベンチマークを策定・掲載しています。独自ベンチマークはその金融機関がどの分野に注力しているか如実に示すものといえるでしょう。

もちろん、独自ベンチマークだからと言ってすべてが意味のあるもとは限りません。中には、表面的な簡単に稼げる数値を持ってきているケースもあります。しかし、金融機関側の裁量を認める今の情勢は、明確なメッセージがある金融機関にとっては他行と差別化をする絶好の機会です。そのような金融機関は、一朝一夕には掲載できないような独自のベンチマークを載せています。

 

どのような独自ベンチマークを設定しているか。

 

金融機関を判断するうえで、一つの見方として有用でしょう。

 

(※1)金融仲介機能のベンチマークについては、2017年5月13日のコラムで説明しております。

(注)本コラムにおける集計結果は、2017年5月15日現在公表されている情報に基づいて我々が独自に集計したものに基づいています。

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