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債権の損失を出すとき、金融機関はどう考えるか

実はルールがある 

業績が悪化した企業は通常、経営改善計画を作成し、リスケ(返済猶予)を行います。しかし、リスケでも資金繰りが厳しい場合、更なる金融支援が必要となる場合があります。たとえば、金融機関による債権放棄や債権売却です。いずれにせよ、金融機関にとっては損失が出てしまうことになりますが、このような手段を取り得るか否かにおいて会社側からは見えにくいルールがあります。 

 

清算する場合よりも回収額が多くなければならない 

それは、債権放棄の場合でも債権売却の場合でも、清算する場合よりも金融機関にとっての回収額が大きくならなければならないということです。会社が破産した場合、まず担保になっている不動産が処分され、金融機関に分配されます。そして、残った資産について金融機関も含めた一般債権者に分配されることになります。金融機関側から見ると、担保に取っている分からはそれなりの回収額を見込めますが、担保に取っていなければ通常は数%ほどの回収しか見込めません。これを、清算配当率といいます。一方、債権放棄や債券売却の場合もそれなりに低い回収額しか見込めません。両者を比較したうえで、清算配当率を上回らなければ実行に移すことができないのです。これを、清算価値保障の原則といいます。例えば、破産時にA銀行にとっての回収率(担保+一般債権)が40%だとすると、債権放棄や債券売却を選んだ場合は40%超の回収率でなくては金融機関としては経済合理性がないということです。 

 

保全が再生を阻害する 

上記の例から明らかだと思いますが、不動産担保により債権が厚く保全されていると、抜本的な再生手法は取りにくくなります。借入をする際は当然担保が優良な方が借入しやすいのですが、いざ業績が悪化し、収益に比べて借入金の負担が重くなると、逆に担保が再生への足かせになってしまうので注意が必要です。この場合、金融機関としてはリスケがせいぜいです。リスケであれば損失も生じないし、債権を保有している間利息収入を得られます。また、実際には過大な借入金であっても、万が一会社が何かあった時でも不動産担保により債権の大部分の回収が図れます。 

 

保全が厚い場合は自ら動くべき 

よって、借入金の水準に比べて多額の資産を担保に差し入れている場合、金融機関は積極的に事業再生に向けて動かないのが一般的です。このような場合、会社が率先して金融機関に事業再生を働きかけてもよいでしょう。現在、地方の金融機関にとって地元企業の再生は非常に重要なテーマとなっています。所管の金融庁からもとても大きなプレッシャーをかけられていますし、ベンチマークとして数値の公表もなされています。そのため、以前に比べて遥かに事業再生を行うインセンティブが高くなっているのです。この機をみすみす見逃すべきではありません。事業再生は普通金融機関側から話が出てくることが多いですが、金融機関側にそのようなインセンティブがない会社にとっては自分から動くことも必要になるのです。 

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