サービス内容黒字経営の事業者様へ〜相談したい気持ちに応えます〜

本社経費・共通経費の配賦はどうすべきか

まず、配賦するかしないか

多店舗展開をしている会社や事業別の組織を持っている会社など、ある程度規模の大きくなった会社においては本社経費や共通経費が発生します。

これらの費用は収益を生まないので、売上高や人員などの何らかの基準を用いて各店舗や事業に配賦している会社が一般的です。

 

この本社経費・共通経費を配賦という行為について考えて見たいと思います。

 

まず、それらを配賦する根拠は何かというと、会社全体で利益を上げるために、各店舗・事業はどのくらい利益を上げなければいけないかという目安を各責任者に認識させるためです。

つまり、本社経費・共通経費を配賦前で各店舗・事業ごとに利益を出していたとしても、配賦後に赤字になる可能性というのは十分にあるからですね。

そこで、配賦後であっても黒字になるように各責任者に頑張るインセンティブを与える。

これが配賦する根拠です。

 

一方、それらを配賦しない根拠は何でしょうか。

それは、配賦基準が恣意的になるということです。

中小企業で用いられている配賦基準は売上高、人数、使用固定資産総額のいずれかであることがほとんどです。

このうち、いずれの基準を用いるかや、本社経費などが総額でいくらになるかは各店舗や事業の責任者ではコントロールできません。よって、配賦後の各店舗・事業別の利益をコントロールできないため、いっそのこと最初から配賦すべきでないという主張です。

 

客観性を重視するなら配賦すべきでない

ではいずれが望しいでしょうか。

明確なコンセンサスはありませんが、私見では配賦すべきでないと考えています。

理由は、配賦される経費が客観的な数値でないからです。

 

配賦すべきとする主張では、配賦経費が不公平になりやすいので、なるべく客観的・公正な基準で配賦すべきとされます。

しかし、本社経費・共通経費の配賦という行為そのものが主観的・恣意的にならざるを得ないのです。

つまり、配賦前の利益はその店舗や事業が稼いだ売上やそれらで用いられた人件費や水道光熱費や手数料などでしょうから、実際の取引金額に基づいています。

一方、本社経費・共通経費の配賦額は実際の取引金額でなく、計算上の金額でしかありませんし、机上の前提次第でいくらでも変えられます。

すなわち、両者の間には金額の客観性において根本的に異なっているのです。

(余談ですが、会計に詳しい人ほど会計上の利益よりもキャッシュ・フロー計算書の資金の動きに注目します。会計上の利益は恣意性の介入が避けられない一方、キャッシュは客観的な数値のため操作に限界があることを熟知しているからです)

 

配賦した場合の問題点は

では、それらを配賦するとどのような問題点があるでしょうか。

端的に申し上げると、各責任者が部分最適な行動を取る結果、全体最適にならなくなってしまいます。

 

例えば、売上を基準に配賦するとします。

この場合、売上を増加させるとその分配賦される経費の額も大きくなるのですから、各店舗・事業別の配賦後利益の最大化を目指すとすると、売上を伸ばすインセンティブより経費を削減するインセンティブの方が大きくなります。

しかし、全体最適の観点からは、経費削減ではなく売上増加による利益増加が正しい方向の場合もあるわけです。

 

人数を基準に配賦するとします。

この場合、人を減らしたり少人数で過酷な労働を強いるインセンティブが働きます。

各店舗・事業で発生する人件費はそもそも計上されていて、その上に経費が多額に配賦されるのですから、人数が多い場合はダブルで利益を出しにくくなります。そのため、実際に必要な人員より少ない人員しかいないケースが発生しうるのです。

 

配賦される本社経費・共通経費の総額は変わらないわけですから、一部の店舗・事業部が経費の配賦額を減らそうとしたしわ寄せは他店舗・他事業に行くだけです。

 

本社経費・共通経費配賦後の利益を基準に評価しようとすると、各責任者は他への経費しわ寄せを考えるようになりますが、当たり前のことですがその方向性は会社全体の利益の底上げには繋がらない可能性があるということです。

 

どう目標を設定すべきか

では、どのように各店舗・事業ごとの利益目標を設定すべきでしょうか。

それは、経営者と各責任者がきちんと話し合って設定すべきです。

 

頑張らなくても業績が伸びるゆるい時代はとうの昔に終わりました。

今の時代は、上から押し付けられた無理な目標によって不正が誘発されている時代です。

昨今の大企業の不祥事を見ても明らかでしょう。

 

だから、各責任者が自分で誓約した数値でこそ達成可能性が高まるのです。

 

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