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金融機関との橋渡しはなぜ難しいか

中小企業は財務的基盤が脆弱なところ、金融機関がある意味では生命線を握っているとも言えます。特に、業績が悪化し、経営改善が必要な段階ではなおさらかと思います。

 

ここで、中小企業が自前で金融機関との関係を良好に築けるなら理想ですが、現実には人的・時間的制約があり、第三者が間に入ることはよくあります。

 

しかし、金融機関の意見を聞く限り、あまり納得のいく第三者というのは聞いたことがありません。

なぜ中小企業と金融機関の橋渡しは難しいのでしょうか。

 

一言で言えば、金融機関特有の考えを踏まえないで間に入るからです。

 

金融機関には独特の考え方や文化がたくさんあります。

これは金融機関内部に長年いないと中々身につきません。

これを押さえていないために金融機関が納得できるような交渉ができないのです。

 

では、具体的にどのような点に金融機関の特徴は現れるのでしょうか。

 

融資先の考え方

言うまでもなく金融機関は融資先、つまり中小企業の皆様を評価しています。俗に言う、債務者区分という分類をします。この分類は金融機関にとって非常に大きな意味を持ち、どの分類にあるかによって対応の方針が大きく異なってきます。

そのため、中小企業が現在どの債務者区分にあるか、ある程度の辺りをつけられないと金融機関との会話が噛み合わないことになります。

 

融資に対するスタンス

基本的に金融機関はお金を貸し出して利息をもらいたいので、リスクが少ない先(債務者区分では正常先)には積極的に貸し出そうとしています。しかし、そのような先は財務的に優良であるため、資金ニーズが少なく問題になることはあまりありません。

 

判断が難しいのはある程度リスクがある先でしょう。このような場合、金融機関の保全の程度に大きく左右されます。具体的には、物的担保をどの程度とっているのか、担保余力はどのくらいか、追加で担保は取れるのか、信用保証協会付きの融資はあとどれくらいできるか、といった観点です。当然ながら、保全がしっかりしていれば融資に応じやすいし、非保全が大きければ融資するためには追加の材料が必要になってくるのです。

この点も金融機関に在籍したことがないと中々理解は難しいと思われます。

 

改善(再生)計画に対する理解

金融機関への返済が厳しくなり、リスケをせざるを得ない場合、将来の事業計画の作成が必要になります。具体的には、将来数年間の損益計算書や貸借対照表、返済計画などです。

傷の深さによって改善計画と言ったり再生計画と呼んだりします。

 

一見現状の延長線上に計画を作れば良さそうですが、実は様々なポイントがあるのです。例えば、専門用語で「合理的かつ実現可能性の高い経営改善計画」(通称合実計画)や「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画」(通称実抜計画)を満たす計画であれば、債務者区分がランクアップします。通常は上記計画の要件を満たすように作成しますが、計画を作ったことがないとそのような視点は持てません。

 

また、金融機関による債権放棄や債権売却損が必要となるような抜本的な再生計画である場合、金融機関がそれまでにどのていど引き当てを積んでいるか(=貸し出した金額のうち、一部は回収不能として返済を諦めた部分)が決定的に重要な意味を持ってきます。そのため、ある程度事前に金融機関とすり合わせをしながら計画を作らないと、金融機関にとって全く飲めないものになる可能性が出てきます。

 

さらに、上記のような抜本的な再生計画の場合、株式譲渡や役員借入金の放棄など経営者が一定の責任を取らないと金融機関も合意できませんが、これも経験がないとイメージがつきにくいと思います。

 

金融業界の文化

債権者が一行であればその金融機関の意向で全て決まりますが、通常は複数の債権者がいることでしょう。このような場合、金融機関間の関係にも注意しなければいけません。例えば、債権の残高の多寡に関わらず、思ったより金融機関間の衡平性は大切です。つまり、債権の残高が僅少だからといって一行だけ特別扱いするのは難しいということですね。

また、金融機関の規模によらず、メイン行の発言力や責任が大きい点もこの業界の特徴です。

基本的にはサブ行以下はメイン行の意向に従います。そのため、事前にメイン行の意向をよく確認することがスムーズに交渉を進めるために必要となるのです。

 

稟議を通すために

今まで述べてきた点は、全てこの点に集約されるといっても過言ではありません。金融機関の外にいるとあまり想像しにくいかもしれませんが、金融機関においては稟議が全てです。どんなに良い内容であっても稟議が通らないと何も進まないのです。だから、稟議を通すための計画が必要となる、逆に言えば、その計画は金融機関の考え方を踏まえたものでなければ稟議が通らないのです。

 

稟議を通すために、計画以外にも追加で資料が必要となるケースがあります。また、金融機関の上席からの質問に答えるため、膨大な質問を中小企業にする場合もあります。このような資料作成や質問への回答は中小企業が自身で行うのは非常に負担が重いものです。また、中小企業が自分で行うと稟議をあげる上でのツボを外す可能性も高いのです。そのため、金融機関が稟議を通しやすいような資料を作ったり、質問の回答を替わりにするということが必要になってきます。

 

 

このように、金融機関の勘所というのはたくさんあります。

これをわかっている人はほとんど金融機関にいるので、外から金融機関との橋渡しをするのは難しいのです。

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